個人のネットショップでも住所公開が必要!非公開で運営するおすすめの方法
昨今、実店舗を持たずに商品をネット販売することができる「ネットショップ」が増加しています。ハンドメイド作品や食品のネット販売など、個人のネットショップの開業を検討している人も多いのではないでしょうか。
実は、店舗を持たずに自宅兼事務所として開業を考えている個人事業主の人でも、ネットショップでは住所を公開する義務があるんです。しかし、結論から言うと「住所を知られたくない!」という人でもネットショップを開業する方法があります。
個人情報である住所を公開することは、住所バレ・身バレに繋がり、トラブルを引き起こす可能性もゼロとは言えません。本記事では、住所非公開で安心・安全にネットショップを開設する方法を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
原則ネットショップでは住所を公開する義務がある
ネットショップを開設する場合、原則として住所を公開することが法律上義務付けられています。電話番号や氏名などの個人情報も公開する必要があるため、自宅を事務所としている個人事業主にとっては、万が一のトラブルのもとになるのでは、と考える人も少なくないでしょう。
では、この住所の公開義務に関するルールについて、もう少し詳しく確認しておきましょう。
ネットショップ開業サービス・BASEでは、2022年1月より住所や氏名を非公開にする機能が追加されました。住所・連絡先を非公開にしてネットショップを開設したい個人事業主にとって、見逃せない機能となっています(BASEについては、後程くわしく紹介します)。
特定商取引法による表示義務がある
特定商法取引法とは、事業者の違法・悪質な勧誘を防止し、消費者の利益を守ることを目的に制定された法律です。買い手である消費者が不当な売買などのトラブルから守られるよう、売り手である事業者向けにルールを定めています。契約締結後、一定期間内であれば解約を行うことができるクーリング・オフも、特定商法取引法に規定されています。
具体的に、下記の業種が特定商法取引法の対象になります。
- 訪問販売
- 通信販売
- 電話勧誘販売
- 連鎖販売取引
- 特定継続的役務提供
- 業務提供誘引販売取引
- 訪問購入
事業者が新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のこと。「電話勧誘販売」に該当するものを除きます。
https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/
ネットショップ運営は「通信販売」に分類されるするため、特定商法取引法に該当します。「売り上げが少ないから該当しないかも」と思っている人もいるかもしれませんが、売上や事業規模の大きさに関わらず、個人の小規模のネット販売でも公開義務が発生します。自宅兼事務所として運営を行っている個人事業主も例外ではないので、その場合は自宅の住所を公開する必要があるんです。
また住所以外にも、事業者の氏名、電話番号、商品の販売価格、返品や交換についての規定なども公開が必要。氏名はハンドルネームでなく本名の公開が必要になります。消費者を守るために守らなくてはいけない義務なので、ネットショップ運営を行うなら、必ず公開しなくてはなりません。
架空の住所・偽名は違反になる
法律で義務付けられているとはいえ、個人情報を公開するのは抵抗がる人も多いのでは。「架空の住所や名前を使ったらどうなるの」と、疑問に思う人もいるのではないでしょうか。
結論として、架空の住所や名前を使用することはできません。違反した場合、業務改善指示や業務停止命令などの処分が課される可能性がありますので、絶対に行ってはいけません。特定商法取引法上公開が必要な「氏名または名称」は、個人事業者の場合「戸籍上の氏名又は商業登記簿に記載された商号」となります。商業登記簿に記載されていない称号やペンネーム・ハンドルネームを記載することは、認められていないんです。
また特定商法取引法では「営業上の活動の拠点となる場所」を住所と定めています。実際に活動拠点としていない実家の住所を記載することも違反に該当します。私書箱の住所を記載することも同様の理由で認められていないので、注意が必要です。
住所非公開でネットショップを運営するおすすめの方法
ここまで説明したように、自宅兼事務所の場合でも住所や氏名の公表は必須になります。しかし、重要な個人情報を公開することで住まいを特定されたり、個人情報を悪用されたりという可能性もゼロではありません。女性の場合、特に抵抗があるのではないでしょうか。
ここからは、自宅兼事務所で活動をしている人でも匿名・住所非公開でネットショップを運営するおすすめの方法を紹介します。下記の内容を実践することで、個人情報の公開に抵抗がある人でもネットショップの開設が可能なので、ぜひお試しください。
特商法の表記を非公開にできるBASEで開業する
おすすめ方法ひとつめは、ネットショップ開業サービス・BASEを利用して開業を行うことです。
BASEとは、誰でも簡単にネットショップが作成できるサービスのこと。クレジットカードなど7種類以上の決済方法に対応した「BASEかんたん決済」が導入されているほか、ショップのデザインや解析ツールなど、初心者でも簡単にネットショップを開業できる機能が備わっています。
BASEでは2022年1月より、個人のショップオーナーを対象に、ショップの所在地・電話番号を非公開にする設定が利用できるようになりました。管理画面内の「特定商取引法に基づく表記」ページで「非公開人する」にチェックを入れるだけで設定が完了するので、難しい手続きは必要ありません。
留意しておきたいのは、商品の発送と返送では住所が公開される点。商品の売買が成立した後の発送や、商品が破損していた場合などに返送してもらう場合には、住所を公開する必要があります。
また、ネットショップ開設サービス・STORESでも、2022年5月より住所・電話番号を非公開設定にすることができるようになりました。
さらに、ネットショップ開設サービス・カラーミーショップも、2022年1月に住所・電話番号の非公開機能導入を検討していることを発表しています。詳しい実施時期は不明ですが、将来的に住所・電話番号非公開でネットショップ開設ができる可能性があります。
バーチャルオフィスを利用する
「ネットショップ開設サービスを利用しないで匿名配送がしたい」と言う人におすすめなのが、バーチャルオフィスを利用する方法です。
バーチャルオフィスとは、その名の通り「仮想の事務所」という意味を持つサービス。実際のオフィススペースを占有して利用するレンタルオフィスと違い、実際に占有するスペースはなく、事務所用の住所を借りることを目的としたサービスです。
実際にスペースを借りるレンタルオフィスが月額使用料数万円からと高価なのに対し、バーチャルオフィスは月額数百円台からと、安価でレンタルすることができます。手頃な金額で都心の一等地の住所を借りることができるのも、メリットと言えます。
バーチャルオフィスを利用することにより、住所貸しや電話番号利用ができるだけでなく、プランによっては郵便物の発送や電話の転送の代行もしてもらえるようになります。来客に備えた会議室のレンタル、法人登記代行、共有FAX利用サービスを提供している業者もあるので、自分に最適なプランを選ぶことが大切です。
また、銀行によってはバーチャルオフィスの住所で銀行口座開設が可能な場合も。銀行口座開設を検討している人はチェックしておきましょう。
一般財団法和文化推進協会 | NAWABARI | Karigo | レゾナンス | |
---|---|---|---|---|
概要 | 補助金・助成金情報を受け取れる | BASEと提携している | 全国各地の住所が借りられる | 都心の一等地の住所が借りられる |
月額料金 | 500円〜 | 980円〜 | 3300円〜 | 1650円〜 |
電話転送 | ○ | ○ | ○ | ○ |
郵便物の受け取り・転送 | ○ | ○ | ○ | ○ |
電話番号レンタル | ○ | ○ | ○ | ○ |
運営会社 | 一般社団法人 和文化推進協会 | バーチャルオフィスNAWABARI | 株式会社Karigo | 株式会社ゼニス |
ハンドメイド作品をメインに出品する人におすすめなのが、一般財団法和文化推進協会が提供しているバーチャルオフィスです。買い手から返送された品物がバーチャルオフィスに届いた場合、契約住所に転送してくれるサービスが利用できます。補助金や助成金に関する情報を受け取ることができるのも、クリエイターや作家を支援する活動を行なっている団体ならではの特徴です。
便利なバーチャルオフィスですが、その利便性と手軽さを利用して詐欺を行う悪質な行為も目立ちます。過去の事例などをしっかりと検索し、安全に利用できる知名度の高いサービスを選択しましょう。
電話番号をレンタルする方法
ネットショップ開設の際、個人情報を守る観点から「自分の電話番号を登録したくない」と感じる人も多いのではないでしょうか。電話番号の提供を含んだサービス内容に含んだバーチャルオフィスも多いですが、電話番号のみをレンタルするサービスも多数存在しています。
電話番号をレンタルする場合、電話代行サービスなど手厚いサポートが付随されるものが多いほか、スマートフォンのアプリで電話番号を取得することができるサービスも。オプションを追加し、最適なプランを作ることで利便性が向上します。手厚いサービスを付加したいのか、手軽に番号を取得したいのか、用途に合わせてサービスを選択しましょう。
また、電話番号をレンタルして使用する場合、BASEでのネットショップ開設がおすすめです。住所を非表示にする設定が利用できるので、個人情報の悪用防止につながりますよ。
CUBE電話代行サービス | 03plus | |
---|---|---|
概要 | サービスの種類が豊富 | スマホで電話番号が取得できる |
月額料金 | 10000円〜 | 980円〜 |
運営会社 | 株式会社大阪エル・シー・センター | 株式会社グラントン |
住所バレせずに安心してネットショップを運営しよう
本記事では、ネットショップを個人情報非公開で運営する方法を紹介しました。自宅兼事務所として利用している個人事業主も、ネットショップ開業サービスやバーチャルオフィスを使用することで、安心してネットショップを運営することができます。
中でも手軽なのは、ネットショップ開業サービスを利用すること。BASEでは「特定商取引法に基づく表記」チェクボックスをオンにするだけで住所・電話番号非公開でネットショップを運営することができるので初心者でも簡単に、安心して設定を行うことができます。商品が売れるまで料金がかからない手軽さも魅力のひとつですね。
ネットショップ初心者の人や、住所・番号非公開で手軽にネットショップを開設・運営したい人は、BASEの利用がおすすめです。ぜひBASEを利用して、住所バレを気にせず安心してネットショップを運営しましょう!