ネット販売の始め方を徹底解説!必要な手続き・販売許可まとめ

本記事では、これからネット販売をはじめたいと考えている人に向けて、ネット販売の始め方や、事前に知っておきたい基礎知識などを総合的にまとめて紹介します。

ネット販売と店舗販売を比較したときのメリットや、おすすめのネットショップの開業方法なども詳しく紹介します。配送方法や送料についても具体的に解説するので、実際に運営するときのイメージをしながら参考にしてください。

また本記事の後半では、ネット販売事業を始めるにおいて、開業届や確定申告、販売許可など、それぞれの状況に応じた事務手続きの必要性についても解説しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

目次

ネット販売と店舗販売の比較

まずはじめに、ネット販売と店舗販売の違いについて、確認していきましょう。

以下の表では、ショップの開業コストや運営方法の特徴について、ネットショップと実店舗で比較しました。

スクロールできます
特徴ネット販売店舗販売
初期費用初期費用0円から始められる高い
運用費用月額料金0円から始められる高い
(家賃、設備費、人件費ほか)
販売対象エリア全国
(海外販売も可能)
店舗周辺のみ
営業時間24時間・年中無休で受注可能店舗開店時のみ
顧客対応メール、電話基本的に店舗接客
商品の届け方配送基本的に店舗で手渡し
消費者の意思決定商品写真、説明文、レビューなどで判断する商品を手に取って判断する

結論からいうと、ネット販売は実店舗運営よりも、圧倒的にコストパフォーマンスが高いです。なぜなら、初期費用や固定費の負担が少ないほか、「営業時間」という枠組みを超えて、24時間365日、年中無休で利益を出せるからです。

またネット販売は、小規模でも個人で手軽にはじめられるのが大きなメリットです。極端にいうと、ネット販売は、パソコン・もしくはスマホ一台と、電気、インターネット、そして売りたい商品があれば、それだけでOKです。一方で、店舗販売の場合は、家賃、設備費、光熱費など、まとまった費用が必要となり、個人で営むにはかなりハードルが高いといえます。

では、上記の内容をふまえて、ネット販売のメリット・デメリットについて、もう少し深掘りして詳しくみていきましょう。

ネット販売のメリット

では、ネット販売の主なメリットを紹介していきます。店舗販売と比較したときのメリットを具体的に解説するので、ぜひ参考にしてください。

費用が安く短時間でショップ開設できる

店舗販売では、テナントの家賃や、場合によっては在庫を保管する倉庫の賃料がかかります。家賃は土地や広さによって異なりますが、例えば、都内の場合は月に数十万〜程度の固定費が発生すると考えられます。家賃のほかにも、設備投資や光熱費がかかります。
また、外装・内装工事なども含めて考えると、オープンまでは長い時間がかかります。

一方で、ネット販売の場合は、初期費用0円・月額費用0円から始められます。ネットショップの立ち上げも短時間でできるので、パソコンやスマホが1台あれば、自宅にいながら即日ショップ開設可能です。

ネットショップ開業サービスを使えば、これまでにWebサイト制作の経験がない人でも、誰でも簡単にネットショップを開設できるようになっているので、安心してください。「まずは試しにお金をかけずにネットショップを開業してみたい」という人は、「STORES」や「BASE」などの無料のネットショップ開業サービスを使って開設する方法がおすすめです。

どこに住んでいても全国・海外のお客さんに商品を売れる

ネット販売は実店舗を構えることなく運営できるため、日本全国のお客さんを対象に販売できます。言い換えると、都心や郊外に関係なく、自分がどこに住んでいても、誰でもネット販売を始められるチャンスがあるということです。

2021年7月に「メルカリ」が発表しているプレスリリースで、大変興味深いデータがあったので本記事で紹介します。
以下の表は、2020年度の「メルカリの都道府県別一人当たりの年間販売金額」を表したランキング表です。便宜上、本記事では第1位〜第5位までを抜粋して掲載しています。

都道府県一人当たりの年間販売金額
1位:東京都89,962円
2位:大阪府86,455円
3位:徳島県85,304円
4位:和歌山県85,078円
5位:山梨県83,947円
都道府県別一人当たりの年間販売金額|メルカリ

参考: フリマアプリ「メルカリ」サービス開始8周年記念 インフォグラフィックス公開~コロナ禍の1年を振り返る「数字で見るメルカリ」~|メルカリ

上記の表をみてわかる通り、上位5位は都心の地域だけでなく、地方の県もランクインしています。
ちなみに、これは筆者の経験談ですが、私はメルカリでこれまで10人以上の作家さんからハンドメイドの雑貨やアクセサリーを買っていますが、把握できる範囲では、地方から発送している販売者さんが半数を超えています。

また、ネット販売では、日本国内だけでなく、海外のお客さんをターゲットにすることもできます。例えば、「Shopify」などのネット販売サービスのように、海外に向けて商品を発送できるサポートが整っているネットショップもあります。

自分のネットショップをどのように販路拡大していきたいのかを考えながら、それぞれの目的にあわせて、ネット販売サイトを選ぶのがおすすめです。

ネット販売のデメリット

つづけて、店舗販売と比較したときのネット販売のデメリットを解説します。ネット販売ならではの特徴を把握して、効果的な売り方を考えていきましょう。

消費者は商品の実物を確認できない

実店舗の買い物では、実際に商品を手に取って、サイズ感や重さ、形、デザイン、素材、品質などを確認してから購入できますが、ネット販売では基本的に、商品写真(動画)や商品の説明文のみで判断します。

店舗販売のように、来店したお客さんに直接声をかけたり、営業活動をすることができないので、ネット販売では、いかに「写真」と「説明文」だけで、商品の魅力をわかりやすく的確に伝えるかが重要になります。

また、レビュー投稿機能がある販売サイトでは、購入者の口コミ・レビューも判断材料に含まれます。ネットショップの口コミ機能は、有料のネットショップ開業サービスで使えることが多いです。気になる人は、ネットショップ開業サービスを選ぶときに、レビュー機能が含まれているかどうか確認してみるのがおすすめです。

価格競争・ポイント競争が激しい

例えば、「A」という商品がほしいとき、大抵の人は、インターネットで「A」という商品を検索し、価格を比較して、より安く買えるお店で購入する傾向があります。特に仕入れ商品をネット販売するときは、価格競争が起こりやすいです。また「楽天市場」や「Amazon」、「ヤフーショッピング」などの大型モールでは、ポイント競争も激化する傾向があります。

一方で、ハンドメイド作品や、デジタルコンテンツなどのオリジナル商品は、商品のブランド力が高ければ高いほど、ほかの商品と差別化される傾向があります。

オリジナル商品をネット販売したいと考えている人は、ネットショップを開設する前に、必ず競合他社を調査するのがおすすめです。自分と同じような業種のネットショップを見つけたら、商品の価格帯や、人気商品、もしくは、あまり売れていない商品の傾向などを把握して、自身のネット販売の戦略を考える際の参考にしましょう。

ネット販売をはじめる方法は3種類ある

では、実際にネット販売をはじめるには、どのようなやり方があるのでしょうか。

ネット販売の始め方は、大きく分けて3種類の方法があります。以下の表では、それぞれの始め方の特徴を比較してまとめました。

ネット販売の始め方モール型ECサイトに出店する方法ASP型ネットショップサービスを使う方法パッケージソフトを使う方法
特徴「Amazon」や「楽天市場」に出店する「BASE」や「STORES」などのサービスを利用して出店する専用ソフトをインストールして、サーバーやドメインなどを用意して自分でECサイトを作る
メリット集客力がもっとも高い初期費用無料&月額費用無料で始められるため費用負担が少ないサイト構成やWebデザインなどの自由度が高い
デメリット初期費用・固定費が高い大手ECモールと比較すると集客力がやや劣るセキュリティ対策も含めて幅広い専門知識が必要

結論からいうと、個人でネット販売を始めたいなら、ASP型ネットショップサービスを使ってネットショップを開業する方法がもっともおすすめです。
なぜなら、初期費用0円、月額料金0円から始められるので、ほかのどの開業方法よりもコストの負担が少なく、もっとも出店のハードルが低い方法だからです。

例えば、楽天市場でネット販売をはじめようとすると、初期費用のほかに、月額19,500円〜100,000円の固定費がかかります。さらにそれに加えて各種手数料が発生するので、はじめからまとまった予算がないと継続したネット販売の運営は厳しいです。

そのほか、ネットショップを構築するための専用ソフトウェアを使って、自分でいちからECサイトを作る方法もありますが、専門的な知識が必要なため、大半の人にはおすすめできません。

では、上記のそれぞれの方法の概要を踏まえたうえで、それぞれのネット販売の始め方の特徴を詳しくみていきましょう。

ASP型ネットショップサービス

まずはじめに、ASP型のネットショップサービスを使ってネットショップを開業する方法について詳しく紹介します。

ポイント
  • 初期費用0円、月額料金0円から始められる
  • デザインテンプレート数が豊富で、ショップのデザインをカスタマイズしやすい
  • モール型ECサイトと比較すると集客力はやや劣る傾向がある

ASPとは、アプリケーション・サービス・プロバイダーの略称です。簡単にいうと、パソコンに専用ソフトをインストールする必要がなく、ブラウザ上ですぐに利用できるサービスのことです。

このASP型ネットショップなら、専門知識がない初心者でも、パソコン1台あればネットショップの開業・管理・運営が可能です。「BASE」など一部のサービスでは、パソコンのほか、スマホでネットショップを開業・管理することもできます。

ASP型ネットショップサービスの最大のメリットは、費用の安さです。「BASE」や「STORES」のように、初期費用0円、月額料金0円から始められるネットショップ開業サービスもあるので、はじめはネット販売の利益がそこまで見込めない人や、試しにネット販売を導入してみたい人にもおすすめの方法です。

一方で、「Amazon」や「楽天市場」などのモール型のECサイトと比較すると、集客力はやや劣るデメリットがあります。自分の商品を多方面にアプローチしたいときは、ネットショップに商品を掲載するだけでなく、「インスタグラム」や「Facebook」、「ツイッター」などのSNSにも投稿して、効果的に宣伝することも重要です。
その点、ASP型のネットショップサービスでは、「インスタグラム」と「Facebook」との連携機能があるサービスも多いです。SNSの使い方に慣れてない人でも、効果的に活用できるサポートがあるので、売りたい商品をたくさんの人にアピールできます。

個人の趣味の延長や、副業としてネット販売を始めたい人は、ASP型ネットショップサービスを利用するのがおすすめです。

無料・有料サービスの違い

ASP型のネットショップサービスには、無料サービスと月額有料サービスがあります。では、具体的にどのような点が異なるのでしょうか。

以下の表では、無料と有料のネットショップ開設サービスを比較したときの主な違いを簡潔にまとめました。

特徴無料のネットショップ作成サービス有料のネットショップ作成サービス
初期費用0円〜0円〜110,000円以上
月額料金0円〜1,100円〜80,000円以上
主な手数料販売手数料:5%〜
※そのほかサービス手数料などがかかる場合もある
決済手数料:3.14%〜4.15%前後
集客機能クーポン、DM配信など+SEO対策のサポートなど
問い合わせ方法基本的にメールのみ電話サポートがある場合もある
代表的なサービス例BASE、STORESカラーミーショップ、Makeshop、Shopifyなど

「BASE」や「STORES」といった無料のASP型ネットショップサービスは、初期費用・月額料金が無料で始められる反面、有料版よりも手数料の負担が高い傾向があります。つまり、無料サービスを使ってネットショップを開業した場合、ネット販売事業が軌道に乗ってきて、販売数が増えて利益が出てくると、その分手数料として取られる金額の負担が増えてきます。
また全体的に、ネットショップを運営するうえで利用できる各種機能についても、有料版よりやや劣ることが多いです。

一方で、「カラーミーショップ」、「Makeshop」、「Shopify」などの月額有料のASPサービスでは、基本的に販売手数料が無料の代わりに、決済ごとに決済手数料が取られます。ある程度の売り上げが見込める場合は、有料のネットショップサービスでを使う方法がおすすめです。

また、例えば「カラーミーショップ」や「Makeshop」では、メールでの問い合わせのほかに、事務局への電話での問い合わせも可能です。「ネット販売が初心者で不安なので、何かあったら電話で問い合わせしたい」という人は、電話サポートがあるASPサービスを選ぶのがおすすめです。

モール型のECサイトに出店する方法

つづけて、モール型のショッピングサイトに出店する方法について紹介します。
こちらは、みなさんお馴染みのAmazonや楽天市場、ヤフーショッピング、ZOZOTOWNなど、大型ネットショップに出店する方法です。

ポイント
  • Amazonや楽天市場、ヤフーショッピングに出店する方法
  • もっとも集客力が高い方法だが、初期投資・ランニングコストが高い
  • ネットショップのデザインのカスタマイズはそこまでできない

モール型のECサイトの最大のメリットは、集客力です。莫大なユーザー数を誇るプラットフォームのなかに自分のお店を開設することで、その分、自分の出品した商品が多くの人の目に付く可能性が高くなります。

一方で、初期費用のほか、月額費用などのランニングコストの負担が大きいのがデメリットです。
例えば、楽天市場の場合、出店費用は月額19,500円〜100,000円です(プランによって異なる)。そのほかにも決済手数料やサービス手数料、楽天ポイントの利用手数料などが発生します。
初期費用無料、月額0円から始められるASPと比較すると、圧倒的にコストが高くなることが容易に想像できます。

また、ECモール型のネットショップは、デザインのカスタマイズの制限が多いです。頭の中で、Amazonや楽天市場のショップページを思い出してみてください。どの店舗も同じような色合いやデザインで統一されていますよね。
ECモールでは、店舗によって特色のあるデザインをアピールしにくい傾向があります。つまり、自分のネットショップを立ち上げるうえで、デザインにこだわりたい人や、商品のイメージをWebページ上でブランディングしたい人は、ECモールでの出店はおすすめできません。

モール型のECサイトでの出店は、中規模以上のネット販売を行なっている法人、または個人事業主の人におすすめの方法といえます。

パッケージソフトを使う方法

最後に、パッケージソフトを使う方法についても軽く触れておきます。
結論からいうと、この方法はかなりの専門知識が必要なため、初心者向きではありません。カスタマイズ性が高いメリットがありますが、ASPサービスを利用して自社サイトを作る方法でも、十分な機能を搭載したECサイトを作れるので、基本的にはASPサービスがおすすめです。

ポイント
  • ECサイトの構築に必要な機能がフル装備されたソフトウェアをインストールする方法
  • 基本的に買い切りだが、数年に一度のペースで更新作業が必要な場合がある(別途費用)
  • 導入から運用まで専門知識が必要なため、初心者向きではない

こちらの方法は、ECサイトの開設から運営に必要なシステムをまるっと搭載したソフトをパソコンにインストールして使う方法です。主なパッケージソフトの例として、「ホームページ・ビルダー22」などが挙げられます。ショップページの作成、カート機能、受注管理機能など、必要な機能はすべてそろっていますが、セキュリティ対策なども含めて、一定以上の専門知識が必要になってきます。
また、サーバーのレンタルや、独自ドメインの設定・更新管理などの作業も必要です。

立ち上げまでの時間や手軽さを考慮すると、圧倒的にネットショップ開業サービスを利用する方法がもっともおすすめです。

ネット販売の配送方法・送料の比較

ネット販売を行う上で、お客さんに大事な商品を届けるために重要なのが「配送」です。

以下の表では、大手配送業者のサイズごとの配送料金を比較しました。なお、本記事では、ネット通販で主要な梱包サイズである60サイズ、80サイズ、100サイズを例に比較しています。

サイズ別の配送料金ヤマト運輸佐川急便日本郵政
60サイズ1,040円
(2kg)
880円
(2kg)
970円
(25kg以下)
80サイズ1,260円
(5kg)
1,155円
(5kg)
1,200円
(25kg以下)
100サイズ1,500円
(10kg)
1,496円
(10kg)
1,440円
(25kg以下)
東京〜大阪間の配送料金の例

参考:ヤマト運輸佐川急便日本郵便

段ボールで梱包した商品を送る場合、主に段ボールのサイズと商品を含めた重さ、そして配送距離によって送料が変わってきます。

一方で、ハンドメイドのアクセサリーなど、小さくて軽い商品を送る場合は、全国一律料金でポスト投函できる配送方法がおすすめです。例えば、日本郵便の「クリックポスト」なら、全国一律198円で配送できます。

商品の内容や梱包サイズにあわせて、配送業者を使い分けるのがおすすめの方法です。

送料の決め方

ECサイトを利用するうえで、ユーザーがもっとも気になるのが送料の負担です。きっと本記事を読んでいただいているみなさんにも共通して経験があると思います。

当然、購入者にとっては「送料無料」がもっともお得で魅力的です。
ではその点も含めて、ネット通販サイトを運営するうえで、どのように送料を決めたらいいのか、いくつか例を紹介します。

ポイント
  • 「○○○円以上で送料無料」にする
  • 全国一律料金で送料を設定する
  • 地域別に送料を設定する
  • クール便など配送方法ごとに送料を設定する
  • 1点から送料無料にする

事業規模や取り扱い商品などにもよりますが、もっともメジャーなのは、一定の購入金額を超えると送料無料になるパターンや、全国一律料金、または配送地域別にあらかじめ送料を設定する方法です。配送地域別に送料を設定する場合は、あらかじめ発送地域(自宅・事務所・倉庫など)から、日本全国各地域までの送料を調査していくつか料金パターンを設定します。

またネット販売で食品を取り扱う場合は、クール便を使って配送するかどうかの検討も必要です。例えば、夏季限定でクール便を使うという配送方法も考えられます。

売りたい商品が小さくて軽いものなら、先述した全国一律料金でポスト投函できる配送方法がおすすめです。送料負担が少ない場合は、あらかじめ送料を含めた販売価格を設定して、「送料無料」で売る方法もひとつの選択肢として考えられます。
事前によく調査して、利益とのバランスも含めて送料を設定しましょう。

いずれにせよ、送料を含めた配送ルールについては、購入者も気になる点なので、ネットショップ上にわかりやすく明記するのがおすすめです。
購入者の送料負担はいくらなのか、何日に発送するのか、どの配送業者から届くのか、追跡や受け取り日時指定は可能なのかなど、配送についての情報はすべてわかりやすく記載しましょう。

丁寧な梱包のコツ

配送業者や送料を決めるとき、商品の梱包方法も同時に検討が必要です。どんなに素敵な商品でも、お客さんの住所に「綺麗な状態」で届かなければ意味がありません。

では、ネット販売でよく使われる梱包方法とはどのようなものがあるのでしょうか。以下にいくつかの例を紹介します。

ポイント
  • ダンボール
  • 宅配袋
  • 宅配ビニール袋
  • 封筒
  • クッション封筒
  • 折りたたみボックスケース、小箱など

宅配袋とは、配送用のクラフト封筒、または白無地の封筒のことです。ダンボールと比較すると取り回しがしやすいので、折ってテープでとめてサイズをコンパクトにすることで、送料を節約することも可能です。

宅配ビニール袋とは、宅配袋のビニール袋版のイメージです。ビニール素材なので、紙でできている封筒よりも丈夫で、雨に強いというメリットがあります。筆者の経験では、海外発送の通販サイトを利用すると、宅配ビニール袋で届くことが多いです。古着や靴など、アパレル品の配送におすすめの梱包方法です。

一般的な封筒や、クッション封筒などは100円ショップでも購入できます。クッション封筒は、内側の面にプチプチの緩衝材がついている封筒です。ハンドメイド作品やアクセサリー、化粧品、家庭用ゲームのパッケージ、CD、DVD・Blu-rayなどの小さめでデリケートな商品を発送するときにおすすめの梱包方法です。

折りたたみ式のボックスケースは、発送前に自分で組み立てて、箱のなかに商品を入れて発送します。まるでギフトボックスのような形に仕上がるので、おしゃれに梱包したいときにおすすめの方法です。アクセサリーのような衝撃に弱いタイプの商品を送る場合は、プチプチの緩衝材で包んでから箱にいれるのがおすすめです。

また、事業が軌道に乗ってきたり、さらに梱包にこだわりたいときは、オリジナルデザインの梱包材を作成する方法もおすすめです。オリジナルのロゴが記載されたダンボールなどを使って発送すれば、ブランディングにも効果的です。

ネット販売に必要な手続き・資格・販売許可

最後に、ネット販売をはじめるうえで事前に知っておきたい、開業時の手続きなどをまとめて紹介します。該当する人は内容をよく確認しておきましょう。

開業届について

まず、個人事業主として、ネット販売事業をはじめるうえで必要なのが「開業届」です。正確には、「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。原則として、事業をはじめてから(開業日)から、1ヶ月以内に管轄の税務署に提出が必要になります。

開業届は、確定申告(青色申告)をするときに必要な手続きとなるため、時間のあるときに提出しておくのがおすすめです。また、開業届を出すことで、赤字の繰り越しができたり、屋号のついた事業用の銀行口座をつくることができるなどのメリットがあります。

開業届の書類は、事前に税務署のWebサイトにアクセスして、自宅でダウンロードしてプリントアウトするか、税務署の窓口でその旨を伝えればもらえます。住所・氏名などの個人情報のほか、「開業日」と「屋号」を記入する必要があります。屋号とは、自分のお店の看板ネームやブランド名のようなイメージです。すぐに思いつかない人は、事前によく考えておきましょう。また心配な人は、一度税務署のページをみて、どんな内容を記載するのか見ておくのがおすすめです。

参考: [手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

確定申告について

ネット販売を始める前に、確定申告の必要性についても確認しておきましょう。

個人で副業としてネット販売を行う場合、20万円以上の利益が出ると確定申告が必要になります。この利益とは所得のことで、1年間(1月1日〜12月31日)で、商品販売で得た合計金額から送料などの経費を引いた金額です。
所得が20万円を超えた場合、例えば本業で勤めている会社で年末調整をおこなっていたとしても、それとは別に個人での確定申告の提出が必要になります。
なお、主婦の方など、配偶者の扶養に入っている人の場合、所得の合計金額が48万円を超えると扶養から外れるので注意しましょう。

また個人事業主として、ネット販売を本業とする場合は、所得から控除額を引いた課税所得額があれば、確定申告が必要です。先述した「開業届」を出すことで、最高65万円の特別控除が受けられる青色申告が可能になります。

確定申告についての詳細は、国税庁のホームページもあわせて参考にしてください。

参考: 確定申告が必要な方|国税庁

取り扱い商品によっては販売資格・許可が必要

ネット販売で注意したいのが、販売商品の種類によっては、特別な許可が必要ということです。これは法律で定められているルールで、個人でネット販売を行う人も対象です。

以下の表では、参考例として、一部の対象商品のカテゴリーと、必要な資格・許可などをまとめました。

取り扱い商品の種類必要な資格・許可など
中古品・古物商許可
化粧品・化粧品製造販売許可
・医薬部外品製造販売許可
食品・食品衛生責任者の免許
・食品衛生法に基づく営業許可

上記は一例で、取り扱い商品によって異なるので、ご自身のネットショップで売りたい商品が該当するかどうか、事前に確かめておきましょう。ネット販売で取り扱う商材にあわせて、一度、所轄の保健所や税務署などに問い合わせしてみるのがおすすめです。

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