ハンドメイド特化の販売アプリ・サイト4社を比較!手数料・配送方法のちがい
本記事では、ハンドメイド商品に特化した販売アプリ・サイトを比較して紹介します。
一般的なフリマアプリやネットショップで売る方法と比較して、ハンドメイド販売マーケットにはどんなメリットがあるのかもわかりやすく紹介します。
販売手数料や、配送方法などの機能面も比較して、どの販売アプリ・サイトが自分にぴったりなのか一緒に探していきましょう!
本記事後半では、目的別のおすすめのハンドメイド販売マーケットをまとめています。ハンドメイド販売の初心者さんから、セミプロ・本業さんまで、ぜひ参考にしてください。
ハンドメイド販売アプリ・サイトの一括比較表
特徴/販売サイト名 | minne | creema | iichi | マルシェル by goo |
---|---|---|---|---|
公式ページ | https://minne.com/ | https://www.creema.jp/ | https://www.iichi.com/ | https://marchel.goo.ne.jp/ |
ひとことポイント | 1500万点以上の作品 国内最大ハンドメイドマーケット アクセサリー/レディースファッション/生活雑貨が人気 | 24万人のクリエイターによる1,400万点以上の作品が出品 レディースアパレル商品が人気 | ハンドメイドを本業としている出品者も多く、高品質・高単価な商品が多い 食品の出品禁止 | ハンドメイド作品のほか 農作物など食品の出品が多い。gooブログとの連携可能 |
月額利用料 | 無料 | 無料 | 無料 | ①0円 ②月額210~524円 |
販売手数料(税込) | 10.56%(※送料含む) | 作品/素材: 商品金額の11%(※送料除く) 食品: 決済総額の15.4% 台湾/香港サイトでの販売: 決済総額の21%+一取引あたり42円 | 作品代金(※送料除く)の20% | ①販売価格の5.5% ②販売価格の3.85% (広告掲載/ブログ機能付き) |
振込手数料 | 220円/回 | 3万円未満: 176円(PayPay銀行の場合は55円) 3万円以上: 275円(PayPay銀行の場合は55円) | 160円/回 (PayPay銀行あての場合55円) | 330円/回 |
入金スケジュール | 月末〆の翌月末払い 売上代金が1,000円未満の場合は翌月繰越 | 月末〆の翌月末払い (最長6ヶ月繰越可能) | 月末〆の翌月20日払い | 月末時点で売上金1,000円以上の場合、 次月中旬~15日までにメールが届く →申請完了後、最短即日振込 |
SNS連携 | × | × | note | Instagram、Twitter、Youtube、Tiktok、ブログ |
購入者の決済方法 | クレジットカード/コンビニ払い/d払い/auかんたん決済/Apple Pay/Amazon Pay/後払い決済/ゆうちょ振替(電信振替)/銀行振込 | クレジットカード/コンビニ払い/d払い/auかんたん決済/ソフトバンクまとめて支払い/Google pay/銀行振込 | クレジットカード/コンビニ払い/銀行振込 | クレジットカード払いのみ |
条件つき送料無料設定 | ○ | ○ (Web版のみ編集可能) | ○ | × |
提携配送サービス | ネコポス・宅急便コンパクト | × | × | 宅配便/宅急便・ゆうパケット |
匿名配送 | × | × | (記載なし) | × |
海外配送 | 国内代理店経由で発送 (販売手数料の変更なし) | 自分で発送 (台湾/香港版サイトでの出店は審査が必要) | 国内代理店経由で発送 (販売手数料の変更なし) | × |
ハンドメイドの販売方法は3種類
まず、ハンドメイド商品をネット販売するにはどんな方法があるのか確認していきましょう。
本記事では、以下の3つの方法を例として紹介します。
販売方法 | 特徴 | 主な料金システム | 集客力 | 匿名配送 | 代表的なサービス |
---|---|---|---|---|---|
ハンドメイド販売マーケット | ハンドメイド商品を購入したい人が集まる 女性ユーザーが多い | 販売手数料がかかる | ○ | × | minne/Creema/iichi |
フリマアプリ(オークションサイト) | 中古品の売買がメイン 取引価格は比較的安い傾向がある | 販売手数料がかかる | ○ | ○ | メルカリ/ラクマ/PayPayフリマ/ヤフオクなど |
ネットショップ開業サービス | 独立したネットショップを開設できるが、SNSなどで自力で集客する必要がある | 月額料金+決済手数料がかかる (月額無料プランもあり) | × | △ (一部非公開機能あり) | BASE/STORES/Shopifyなど |
結論からいうと、もっともハンドメイド商品の販売に特化しているのは、minneやCreemaのようなハンドメイド販売マーケットです。
なぜなら、はじめから「ハンドメイドの〇〇(商品カテゴリ)」を探している人(購入したい人)が集まっているプラットフォームなので、お客さんの顕在化したニーズに対して、的確に自分の商品をアプローチできます。
また、ハンドメイド販売マーケット自体に集客力があるので、個人でいちからネットショップを開業して売るよりも圧倒的に手間が省けるメリットがあります。
一方で、フリマアプリはあくまでも中古品の売買がメインです。購入者の客層も「できるだけ安く買いたい」というニーズが強いため、家具・インテリア・工芸品など、高額なハンドメイド商品は売りにくい傾向があります。
とはいえ、メルカリなどのフリマアプリの集客力はピカイチです。比較的単価の安い、ハンドメイドのアクセサリーやファッション雑貨・小物などの販売や、趣味の一環として販売したい人にはおすすめの方法といえます。
フリマアプリは匿名配送に対応しているメリットもあります。住所非公開でハンドメイド作品をネット販売したい人にもおすすめです。
ネットショップ開業サービスでの販売は、プロ作家や職人など、自分のブランドを継続して運営したい人におすすめのサービスです。ハンドメイド販売マーケットやフリマアプリと比べて、自力で集客する必要があるので、総合的な販売戦略が必須です。
料金システムは、月額料金に加えて、一注文あたりの決済手数料がかかるモデルがもっとも主流です。
BASEやSTORESなど、月額利用料が無料のプランを用意しているサービスもありますが、有料プランと比較すると決済手数料は割高になります。また有料プランの方が使える機能が充実している傾向があります。
BASEやSTORESなど、一部のネットショップ開業サービスでは、住所や電話番号を非公開にできる機能があります。ただし、商品の発送の際は最終的に住所が公開される仕様になっています。詳細は以下の記事を参考にしてください。
ハンドメイド販売アプリ・サイトの選び方
では、ハンドメイド販売マーケットを選ぶときは、どのような点を基準にして選べばいいのでしょうか。
本記事では、以下の3つの点に着目しました。
販売手数料・振込手数料を確認する
ハンドメイド商品をネット販売する際は、主に以下の手数料がいくらか確認しましょう。
- 販売手数料
- 振込手数料
- (送料)
- (月額利用料)
- (サイト登録初期費用)
とくに販売手数料は、具体的にどの部分の金額に手数料がかかってくるのか、事前によく確認しましょう。
例えば、minneでは、送料を含めた金額に販売手数料がかかりますが、Creemaでは送料を除いた価格となります。
つまり、送料が高くなるとminneの方が販売手数料が高くなる場合があります。両社の販売手数料を比較すると、一見minneの方が安く見えますが、発送する商品のサイズ・重さによってはその限りではありません。
振込手数料は、売上金を現金化するときの口座振込手数料です。売上金は、この振込手数料と販売手数料が引き抜かれた金額として、各社の入金スケジュールに応じて振り込まれます。
ハンドメイド販売アプリの送料は、フリマアプリの慣習とは異なり、基本的に購入者側で負担するケースが多いです。もしくは、「○○円以上購入で送料無料」「○○点以上購入で送料無料」といった条件付きの送料無料設定ができる機能もあります。
配送方法を確認する
本記事で紹介した「minne」、「gooマルシェ」では、ヤマト運輸や日本郵政と連携した配送方法を提供しています。ネコポスやゆうパケットはポストに入るサイズの小型商品を発送するときに便利です。全国一律料金で、追跡サービスがあるのも大きなメリットです。
ネコポスの配送サービスを個人で利用するには別途法人契約が必要なので、販売サイトを通じて利用できるのはメリットといえます。
また、ハンドメイド品を海外に向けて販売したいと考えている人は、海外販売のサポートの有無も確認しておくのがおすすめです。
商品ジャンルや価格帯があうかどうか
自分の出品する商品ジャンルが、各マーケットにおいてどのような位置付けにあるのか確認することも重要です。
それぞれの販売サイトの人気商品のカテゴリー、価格帯、商品数、デザインの雰囲気などは最低限チェックしておきましょう。販売禁止商品など、それぞれの利用規約の確認も忘れずにおこないましょう。
あわせて、各販売マーケットをチェックするときは、以下のような使い勝手や機能面もしっかり確認しておきましょう。
- 商品検索の方法
- フォロー機能
- お気に入り登録
- コメント・メッセージ機能
- 写真登録・出品方法
- 在庫管理の方法
- 評価システム・レビュー機能
【目的別】おすすめのハンドメイド販売アプリ・サイト
つづけて、目的別のおすすめのハンドメイド販売サイト・アプリを紹介します。
それぞれのネット販売の規模や目的に応じて、自分にぴったりのマーケットを見つけてください。
初心者〜セミプロの販売者におすすめのサイト
ハンドメイド販売の初心者さんには、「minne」がおすすめです。ネコポスや宅急便コンパクトの配送にも対応しているので、フリマアプリからの移行を考えている人にも使い勝手がよくおすすめです。
ある程度販売歴のあるセミプロ〜本業の販売者さんには、「Creema」がおすすめ。Creemaはminneと比較すると商品単価が高い傾向があり、よりクオリティーの高い商品が出品されています。
インテリアや工芸品など、商品単価が高いジャンルを販売している作家さんは、「iichi」も検討してみてください。
いずれにせよ、自分の取り扱いジャンルの商品がどれくらいの相場価格で取引されているのか、事前によく調査してから決めるのがおすすめです。
海外販売をしたい人におすすめのサイト
ハンドメイドの海外販売を検討しているなら、「minne」または「iichi」がおすすめです。
なぜなら、国内代理店経由での国外発送となるので手間がかかりません。商品を自宅(事務所)から発送するときは国内住所の代理店宛でOKなので、専門知識がなくても安心して発送できます。
「Creema」では、別途審査が必要ですが、台湾・香港版サイトでの出店ができます。商品の発送は自分で手配する必要がありますが、アジア向けの海外販売をしたい人はあわせて検討するのがおすすめです。
ブログと連携した集客を狙いたい人におすすめのサイト
ブランディングの方法としてブログを運営している、またはこれからブログの立ち上げを検討している人は、「iichi」や「マルシェル by goo」との相性がいいです。
「iichi」は「note」と連携しています。
使い方も簡単で、noteのブログ上にiichiの作品ページ(URL)を貼るだけ。自動的に、作品名・画像・価格の情報がカード形式でnote上に表示されます。「iichで購入する」というボタンも表示されるので、CV導線もバッチリです。
またnoteのトップページのストアタブに、iichiに登録済みの作品を一覧で表示できます。
「マルシェル by goo」は、おなじみのgooブログのほか、外部サービスのブログも連携可能です。そのほか、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokなど各種SNSとの連携機能もあります。
ブログやSNSを並行して活用することで、販売サイトの商品ページだけでは紹介しきれない作品のこだわりや、ブランドのコンセプト、ひとつひとつの作品ができあがるまでのストーリーを存分に伝えることができます。
当ブログおすすめランキング
ハンドメイド作品の販売で知っておきたいこと・注意点
さいごに、ハンドメイド商品を販売するうえで知っておきたい注意点をいくつか紹介します。
ハンドメイド作家の確定申告について
副業としてハンドメイド販売をおこなう場合 | 所得が20万円以上で確定申告が必要 |
ハンドメイド販売以外の所得がない場合 | 所得が48万円以上で確定申告が必要 |
ハンドメイド作品を販売して収入を得ている人は、確定申告についても忘れずに確認しましょう。
確定申告の義務は、それぞれの状況に応じて異なります。上記の表では、よくあるパターンをまとめました。ここでいう「所得」とは、電気代などの光熱費や、材料費などの仕入れに関する“経費”を除いた「純利益」のことです。
例えば、会社員やパートで働いている人は、ハンドメイド販売の所得が年間20万円以上で確定申告が必要です。専業主婦の人は、年間48万円以上の所得で確定申告が必要になります。
より詳細な情報を確認したいときは、国税庁の「確定申告が必要な方」のページを参考にしてください。
販売禁止商品・利用ルールを確認する
ハンドメイド販売アプリでは、それぞれ出品(販売・展示)が禁止されている商品があります。
例えば、minne、Creema、iichiでは共通して既製品(ハンドメイドではない商品)の販売は禁止されています。またiichiでは飲料・食品の出品はできません。
またハンドメイドの商品でも、著作権侵害の恐れがある理由から、キャラクターがプリントされている生地をつかった商品は販売禁止とされているケースが多いです。
ハンドメイド販売マーケットで出品する際は、トラブルを未然に防ぐためにも、いま一度利用規約の確認をおすすめします。